
仕事も家も車も、何もかもを新しく始めなくてはいけない「移住」憧れを持って移住を決めても現実に厳しい問題が多いのも、また現実です。そんなときに行政の支援を検討する方も多いと思いますので、今回は沖縄移住に関しての行政支援について紹介します。
そもそも行政支援ってなに?
行政支援とは「沖縄県」や「自治体(○○市・○○町・○○村)」が独自に行う「助け」です。これは沖縄県に限らず、日本のどの自治体でも独自の行政支援を行っています。行政支援は自治体により特色があり、その行政支援を目当てに引っ越す人もいるほど。
行政支援の種類は子育てをする方にはとても助けになりますし、移住者には家や仕事を支援してくれる自治体もあります。
ただ沖縄県は年々人口が増え、街もどんどん発展しています。将来的に移住に関する手厚い行政支援は、無くなるといってもおかしくありません。あれもこれもと行政支援を受けたい方には正直、沖縄は「向いていない」県です。
沖縄県による移住に関しての行政支援
沖縄県では移住のことを「UJIターン」と呼んでいます。
- Uターン:出身地から地域外へ、進学や就職のために都会へ出たあと出身地に戻ること。
- Jターン:出身地から地域外へ、進学や就職のために都会へ出たあと出身地の近隣地域に戻ること。
- Iターン:出身地に関わらず、住みたい地域を選択し移り住むこと。
この記事を読む多くの方がIターンに当てはまるのではないでしょうか。
移住先としてとても人気の沖縄県は、日本全体の人口が年々減少しているのに対して、増加傾向にあります。移住者が増えていること、本州へ出ていた人が地元(沖縄)に帰ってきていること、そして出生率が日本一であることが人口増加の理由です。
そんな沖縄県ですので、他県の過疎化に比べると十分に人は足りているということになります。大々的に「移住してください!」とアピールしなくても、毎年何万人という人が移り住んでくるのです。

そのため、移住に関して住宅の無料支援や助成金等の支援は行っていません。
ですが、移住相談や住宅に関する相談などは随時実施されていて、仕事に関してもハローワークで移住者向けの就職情報を得ることが出来ます。
また本島にある不動産屋さんでお話を伺ったところ、沖縄の大家さんはネットなどに賃貸情報を載せる前に知り合いや身内に家を貸すケースが多く、特に一軒家を借りたい人にとってはなかなか苦戦することが多いようです。
本島の南部や中部はまだ不動産屋さんを介して家を探すことが可能でも、北部や小さな離島では不動産屋さんを頼るより、地元の方と親しくなって家を探すのが最短ルートだと言えます。
沖縄の各自治体の移住に関する行政支援
自治体ごとに行っている行政支援では住む場所によって、支援を受けられる内容が変わってきます。また現在もこの後も同じ支援制度が続くとは限りませんので、移住先に検討している自治体へ確認することをおすすめします。
沖縄本島の自治体- 豊見城市
- 事業資金の援助、最大500万円
- 西原町
- 低所得者への賃貸援助
- 沖縄市
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- 事業資金の援助、最大700万円
- 市民を雇用したら、1人につき5万円の支給。
- 宜野湾市
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- 空き店舗の利用で補助金を交付する。(予算の範囲内で)
- 店舗の家賃の半分を援助。(上限5万円で、最長6ヶ月間)
- 北谷町
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- 農具などの購入援助金(購入額の半分)
- さとうきび生産1トンあたり、500円の支給。
- 金武町
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- 農具などの購入援助金。(購入額の半分、上限有り)
- 出生児1人につき、10万円。
- 乳幼児の医療費の援助も有り。
- 宜野座村
- 農業指導、最大2年間。(指導のみ、補助金などは無し)
- 国頭村
- 結婚が成立すれば、10万円。(村内に住む条件有り)
- 八重瀬町
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- 芋掘り体験&船釣り体験(季節によって)
- ビニールハウス設置の補助金。
- 伊江村(伊江島)
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- 出生児の第1子と第2子には、それぞれ2万円。
- 第3子には、6万円。
- 第4子以降は、10万円。
- 粟国村(粟国島)
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- 結婚が成立すれば、3万円。(村内に住む条件有り)
- 出生児の第1子と第2子には、それぞれ3万円。
- 第3子以降には、5万円。
- 新築祝い金、10万円。
- 渡名喜村(渡名喜島)
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- 結婚が成立すれば、10万円。(村内に住む条件有り)
- 出生児1人につき、5万円。
- 小、中、高、それぞれ入学祝い金、3万円。
- 入園料、園児1人につき、年額6000円免除。
- 保育料、園児1人につき、月額5000円免除。
- 久米島
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- 低所得者への賃貸援助。
- 島外への出産時の交通費や宿泊費の支援(一律10万円)
- 竹富町
- 出産祝い金の支給
- 与那国村(与那国島)
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- 町営住宅への入居(条件有り)
- 島での色々な体験支援策あり。
- 多良間村(多良間島)
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- 結婚が成立すれば、5万円。(村内に住む条件有り)
- 出生児の第1子と第2子には、それぞれ2万円。
- 第3子以降には、3万円。
- UターンかIターン者で、定住すれば1世帯に付き、5万円
等々になります。これ以外にも自治体ごとに支援制度は変わりますが、その多くは子どもに対してのもので「移住者だから支援してもらえる」という内容の支援制度はほとんどありません。
沖縄に移住して、仕事の行政支援制度はあるの?
沖縄県は最低賃金が日本で1番安く、失業率もトップです。また最低賃金が1番安いということは「お給料もたくさんは貰えない」のです。それを十分に踏まえてから移住を考えなければ、結局地元に帰ることになります。
これは沖縄県が運営している公式ホームページでも注意喚起していることで、過度な理想を描き過ぎないように、と書いてあります。
移住を検討する中で何より大切なのが「仕事」すなわち「お金を得る手段」ですよね。上記の支援制度を見ていると、沖縄県で事業や農業・漁業を始める人には、手厚い支援制度があるように感じます。多くの人が沖縄に移住してもどこかへ就職して働くことを検討していると思いますが、移住者向けに特別に用意された場所は特にありません。
沖縄県の公式ホームページでも「ネットや求人誌などを活用して」と書いてあります。またハローワークで「移住者なのですが」と相談すると、沖縄の職に関することを教えてもらえます。最近は外資系企業や県外企業の参入も増えてきているので、沖縄に本社がある会社だけではなく外へ目を向けてみるのもアリです。
沖縄への移住は「賢く行政の支援を使うこと」
子どもと一緒に移住を検討している方は子どもの支援が手厚い自治体を選んだり、先に住所だけゲストハウスやマンスリーマンションに移動して(住所登録が可能な場所とそうでない場所があるので、必ず確認してください。)公営住宅に申し込みをするのもいい方法です。
ハローワークに掲載されている求人情報はネットでも閲覧が可能ですし、気になる自治体のホームページを随時チェックすることで「臨時職員」の募集があったりします。また電話での問い合わせ等も出来るので、移住前から準備を行うことが可能です。
沖縄は同じ日本でも、海を渡る引っ越しです。何でも自分でやろうとすると後からドッと疲れてしまうので、行政の支援を賢く利用してステキな移住ライフを送りましょう!