
移住するとなるとかかりつけのお医者さんも変わりますが、沖縄の医療事情も気になるところですよね。特に離島へ移住予定のある方は緊急時にどうしたらいいのか分からない方も多いと思います。今回は沖縄の医療事情についてご紹介します。
沖縄の医療事情ってどんなもの?
沖縄県の人口はおよそ150万人(2016年現在)です。病床が200床未満の病院を中小規模病院といい、この中小規模病院が沖縄県で1番大きな病院になるのですが、沖縄本島に20ヶ所あり、南部に11ヶ所、中部に7ヶ所、北部に3ヶ所となっています。
中小規模病院と聞くとなんだか頼りないように聞こえてしまいますが、中小規模病院というのは決して大病院に劣っているわけではなく日本の6割の病院が中小規模病院です。病床が少ない代わりにお医者さんの技術を売りにしており、専門的なプロが多く働いているのも特徴的です。
その中小規模病院があるのは沖縄本島だけで、沖縄の離島には小規模病院がいくつかあり、小規模病院と連携を取るようにして小さな島々にも診療所があります。この診療所にいるお医者さんたちは、基本的に「なんでも診れる」と云われています。
宮古島や石垣島などの比較的大きな離島まで時間のかかる離島は、そう簡単にヘリコプターや船では運べません。ヘリコプターや船に乗るのにも体力が必要なので、学んできた専門的な知識よりもずーっと幅広い知識が必要になるのです。
離島も今では119番との連携や、島々の診療所との連携、一通りのことに対応できる医療器具など、日々暮らしていく中で安心して暮らしていけるようになりました。持病のある方や定期検診の必要な妊婦さんなどは、今一度、移住先の病院をあらかじめ調べることをおすすめします。
沖縄北部の医療事情は陸の孤島?
多くの方が移住先に選ぶ本島にスポットを当ててみたいと思います。本島には20ヶ所の中小規模病院がありますが、北部には3ヶ所あります。ですが、名護市に集中しており、それよりも北に中小規模病院はありません。
以下は沖縄本島の地図です。
沖縄本島の真ん中は恩納村になりますが、その少し上に名護市があります。その更に上、本島の1番北部である国頭村から名護市までは車で約1時間半ほどかかります。

例えば最北部の国頭村で事故やケガをして診療所で対応できない場合、救急車で1時間以上かけて名護市の中小規模病院まで行くことになります。沖縄にもドクターヘリはありますが、浦添総合病院に一機だけです。 沖縄北部はヘリコプターや船で小規模病院に行く離島と、さほど変わらないのが現状です。
沖縄の救急医療にはたらい回しがない?
沖縄県には一般診療所(内科・産婦人科・皮膚科・小児科・眼科・外科・耳鼻科・精神科)が790ヶ所あるとされています。病院が93ヶ所、歯科は619ヶ所あります。
人口に対してこの数は全国平均に比べるとやや少ないですが、車社会の沖縄では緊急性のない場合は事足りるように感じます。
そして沖縄の医療事情でよく言われるのが「沖縄の病院ではたらい回しにされることがない」なぜそう言われているのかというと、沖縄と沖縄以外の都道府県では救急医療の体制が異なることにあります。
沖縄以外の都道府県の場合
沖縄以外の都道府県では一次救急、二次救急、三次救急、と患者の重症度によって病院が決まっています。これに従って患者自身(何かあったらうちに来てくださいねとお医者さんに言われている場合)か救急隊が重症度を判断して、決まった病院へ搬送します。
近ければ何も問題ありませんが、重症度と決まった病院が遠い場合、たらい回しにされる可能性があるのです。
沖縄の場合
沖縄は戦後アメリカの統治下にあったので、アメリカの医療制度を元としています。
そのため365日24時間、一次から三次まで重症度に関わらず病院に搬送することが出来ます。このシステムをERといい、近い病院が何かの理由で受け入れ拒否でない場合を除き、基本的にはその病院で治療を受けられるのです。
このように病院やお医者さんの数が少ない沖縄にも、沖縄だけの利点があります。
沖縄に移住しても事故・ケガ・病気には気をつけよう!
例えどんなに遠くても、そこへ行けば助かるかもしれない。こう思えるのは日本でも沖縄県だけです。
普段からお世話になるのは主に診療所ですが、万が一の場合に備えて移住前に自宅近くの病院情報を調べておくことを強くおすすめします。

また自宅に常備薬を置いておくことは、北部や離島では必須です。自分の身体とよく相談して必要かな?と思う薬は買い置きしておきましょう。