沖縄情報局

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「しまくとぅば」絶滅の危機にある沖縄の島々の言葉

めんそーれ

沖縄の方言は日本のどの地域と比べても独特で、方言の祖先は九州北部と云われています。また宮古島の方言はフランス語に近いともいわれており、日本語とは異なるのが特徴的です。そんな「しまくとぅば」絶滅の危機にあるとご存知ですか?

「しまくとぅば」は沖縄の島々で話されている「島言葉」のことをいいます。伝統芸能のセリフや琉球舞踊などの基層ともなっているのですが、このしまくとぅばを話せない・聞いても理解できないという人が実はとても増えているのです。

沖縄県では戦後「標準語励行運動」というのが行われました。学校の授業などで標準語を教え、県外へ進学・就職で出た際に困らないようにしたのです。

古民家

沖縄は今でも親子3世代同居が珍しくありませんが、それでも核家族化は進んでいます。核家族化が進むことでしまくとぅばを日常的に使うおじいやおばあと話す機会が減り、若い人たちの間でしまくとぅば離れが増えています。

このままではどんどんしまくとぅばを話せる・理解できる層が減ってしまうため、沖縄県は2006年に毎年9月18日を「しまくとぅばの日」に制定しました。2013年には「しまくとぅば普及推進計画」を策定し、行政や県議会・文化団体・民間企業・教育機関などが参加し「しまくとぅば県民大会」を開催しています。

「ちゃくばしゃぬいば、まーやが?」

「くまから、とぅーさんどー」

このしまくとぅばの意味、分かりますか?分からないですよね。標準語にすると

「タクシー乗り場はどこですか?」

「ここからだと遠いよ」

ということになります。普段多くの人が聞き慣れている標準語とは似ても似つきません。日本人の間ではしまくとぅばも他の地域と変わらない「方言」として認識されていますが、世界では沖縄のしまくとぅばは「言語の1つ」として認識されています。

しまくとぅばは大まかに6種類に分けられています。

ですが、その中でも微妙な違いがあり、約800あるとされている沖縄の島々によっても変わります。石垣島の人と宮古島の人とではしまくとぅばで会話が成り立ちませんし、沖縄本島と離島の人ではこれまた会話が成立しません。

比較的近い場所にある石垣島と竹富島、宮古島と伊良部島でも微妙に違うため、会話の中でお互いに「???」となることもあるそうです。個々の島が独自のしまくとぅばで会話をしているので、本島の方言が使えるのは本島だけということになります。

なぜユネスコが警鐘を鳴らすかというと沖縄本島を含め、核家族化が進んでいること・移住者によって標準語が多く用いられていること・県外企業の参入により標準語を使う機会が増えていることなど、様々な原因が挙げられています。

小さな島ほどしまくとぅばは絶滅の危機にさらされていて、進学や就職を機に島外へ出ることが多くなった今の時代も関係しています。

沖縄の現状とよく似た国がスコットランドです。スコットランドもまた公用語である英語とは別に、独特の言語を話します。その方言は言語として認められており、英語同様に公用語として扱われています。

沖縄の歴史を語る上で欠かせない「しまくとぅば」。話して意味を理解できる人のほとんどが70代以上です。沖縄のしまくとぅばも今から対策を施さなければ近い将来、本当に絶滅してしまう日が来るかもしれません。

沖縄県はしまくとぅばに気軽に触れられる機会を作ろうと、2014年に「しまくとぅば検定」というアプリを開発しました。iPhoneでもandroidでもインストールが可能です。

しまくとぅば検定

琉球大学名誉教授、言語学博士である宮良信群さんが監修しており、なかなか難しい検定になっています。検定は全10問で、3択式。正解でも不正解でもその後に解説が出るようになっています。最後には10問中、何問答えられたかの得点とそれに合わせた辛口の?面白いコメントが出ます。

しまくとぅば検定

また沖縄県ではしまくとぅば講師を2015年から育成中で、県内企業や学校などで講師の活用が出来るように様々な取り組みを行っています。興味のある方はぜひ講演会などに参加してみてください。

海外でも同じことが言えますが、現地の言葉を話せると旅はより一層楽しいものになります。それは移住も同じで、何も話せないより少し話せるだけで10も20も違った時間を過ごすことが出来ます。

沖縄の歴史や文化を語る上で欠かせない、しまくとぅば。たくさんあって覚えるのは簡単ではありませんが、少しずつ活用して楽しく会話しましょう!