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沖縄のユタって一体なに?

祈り

沖縄には「ユタ」と呼ばれる民間の霊媒師、シャーマンがいます。沖縄だけではなく世界中にシャーマンはいますが、沖縄のシャーマン「ユタ」は今も沖縄県民の生活に深く根付いています。今日は沖縄の「ユタ」について、まとめてみました。

シャーマンとは日本語にすると「民間霊媒師」と呼ばれる人たちです。「普通の人たち」には感じ取れない超自然的存在(霊、神霊、精霊、死霊など)と交信する職業・人物です。目には見えないもののため信じられないという人もいるかとは思いますが、それと同じだけ生活の中で大切にしてる人もいます。

知識

世界中にシャーマンはいますが、みんながみんな同じように霊媒を行うのではなく、それぞれ違う方法が用いられています。諸説ありますが、今現在は5種類の方法に分けられており、だいたいのシャーマンがこの方法に当てはまるとされています。

シャーマンの種類

脱魂型
シャーマン自身の魂が霊界と人間界?を自由に行き来することが出来、シャーマンの身体と魂を自在に操り様々な役割を果たす人。広義の精霊統御者型の一種。
精霊統御者型
シャーマン自身ではなく、シャーマンの補助をしてくれる霊を駆使して様々な役割を果たす人。
霊媒型・憑霊型
シャーマンの身体に神霊・精霊を憑依させて、人格がシャーマンではなく神霊・精霊変わり、様々な役割を果たす人。一人称がシャーマンから神霊・精霊自身になることが特徴的。
予言者型・霊感型
シャーマンは神霊・精霊と直接交信し、その意見や予言をシャーマンが伝える。一人称はあくまでもシャーマンであり、シャーマンと相談者、神霊・精霊と3人で話しをする。
見者型
神霊・精霊の姿が見える、あるいは声が聞こえて神霊の意思を三人称で語る。予言者型・霊感型と違うのは姿が見れたり声が聞こえたりすること。

以上がシャーマンの種類とされていますが、日本のシャーマンは若い頃は「霊媒型」だったけれど歳を重ねて「予言者」に変わる例が多くあります。シャーマンがシャーマンになるきっかけとしては、主に以下のような出来事からシャーマンになります。

  • 召命型「ある日突然シャーマンになり、望んでいないのに選ばれることもある。」
  • 世襲型「血統によって選ばれ、資質や人格が継承される。」
  • 修行型「身体的理由や経済的事情によってシャーマンになるための修行・勉強を積む。」

沖縄のユタは離島や本島によって呼び名が様々です。ユタという呼び名は奄美・沖縄諸島で呼ばれている「ユタ・ホゾン・トキ」を略した言い方だとされています。宮古列島では「カンカカリャ・サス」八重山列島では「ムヌチ・ニゲービー・カンピトゥ」と呼ばれています。

シャーマンは時に宗教的な役割を果たすこともあり「なんか胡散臭い…。」と感じる人もいるかもしれませんが、それが沖縄県民の心の支えになっていることもあり、大切な沖縄の文化の1つになっています。

古民家

何かに困っている人だけがユタを頼るのではなく、社会的地位の高い人たちがユタを頼ることも多くありました。大きな決断をするとき、最終判断をユタにゆだねる人は今なお多いのが現状です。こうしてユタを頼ることを「ユタ買い」といい、通常は2~3人のユタの判断を仰ぐのが一般的です。

沖縄では昔から「医者半分、ユタ半分」と云われており単にシャーマン的な判断だけではなく、時に人生の判断の手助けもしてもらうくらいユタは信じられてきました。

神と人との間の仲介役であるユタは神意を鋭敏に感じ取ることのできるセンシブルな存在でなくてはならず、それを良くなしえるのは感受性の強い女性であるべきとされていますが、男性のユタも若干ではあるものの存在します。

またユタ自身はユタという称号を使わず、他人からそう呼ばれることに反感を持つ人も多いです。彼らは神人(カミンチュ)、御願者(ウグヮンサー)、御願を捧げる人(ウグヮンウサギヤー)、判断(ハンジ)など神に仕えることを表す名称を好みます。

神や霊は誰しもの目に見えるものではありませんし、声が聞こえるものでもありません。「特殊な世界」にしか成しえない、または「特殊な世界」にしか分からないことを頼って多くの人がユタを訪ねていきますが、それを人を騙したり陥れたりする方法として用いる人も多くいました。(現在でもユタを名乗る偽物はたくさんいます。観光客や移住者が簡単に会える存在ではありませんので、十分に気を付けてください。)

スピリチュアル

そんな偽物のユタたちのせいで、沖縄の歴史の中でその時々の権力層から「後進的な存在であり、世間を惑わす」とユタは何度も政府や自治体から弾圧を受けてきました。ユタは人々の生活に常日頃から寄り添い支える人たちですが、その多くは精神的に弱っていたり正常な判断能力を失っています。そこに漬け込み多額の金銭を要求したり、ひどい場合にはその人自身の人生をも壊しかねません。

沖縄には「ユタコーヤーヤ、チュオーラセー(ユタを買う人は、人々を争わせる人である)」という言葉もあり、ユタを買う行為自体が問題の元となる事もあります。たくさんの問題がある中で今も存続しているユタですが、ユタにまつわる事件は今も起こっています。

沖縄県民の中でもユタによって助けられた人と騙された人、信じていない人や心の支えとして生きている人など様々な意見に分かれます。

世界にはたくさんの宗教があります。宗教以外にも何を信じて生きるかは十人十色です。どれもその人だけの世界観であり、そこに善悪は存在しません。

沖縄という一つの場所が作り上げたユタという文化は、沖縄の多くの人々の心の支えになってきました。

無人島

ユタが人々の心に寄り添い支えていく存在ならば、たくさんの沖縄県民と仲良くなればいつか知り合う機会が訪れるかもしれません。ただ簡単に会える存在ではありませんし、いつでも助けてくれるわけではありません。いつか会えたらいいな…くらいの気持ちで文化の1つとして受け入れましょう。